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どこでもドアが発明されたら、世界経済は大恐慌に!?技術的な新しいイノベーションが生まれると、誰かが大きく損するのが経済です。

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もし今日、どこでもドアが発明されたら?

そう考えると凄くワクワクしますよね。なにせどこでもドアは世界中のどこにでも瞬間的に移動できる道具。

観光地から仕事場に至るまで、自分が行きたい場所に瞬間移動できるようになるので、私が手に入れたら昔から行きたかったウユニ塩湖や南極あたりにすぐ飛んでいっちゃうと思います。

しかし経済でモノゴトを考えると、どこでもドアの発明は良い面ばかりではありません。なぜならどこでもドアが誕生したら、世界中が大混乱&大恐慌になってしまうから。

今回はそんな経済と技術革新に関する話を雑談がてら書いてみたいと思います。世界恐慌がなぜ起きるのか気になる方は是非、読んでみてくださいね。

どこでもドアの発明と経済について:

どこでもドアが発明されたら衰退するもの:

まず、どこでもドアが今日この瞬間に発明されたらどんな影響があるのか…というと、多くの産業が一気に破綻することになります。

わかりやすく例をあげてみるとこんな感じ。

  • 自動車…趣味以外での利用が不要に。TOYOTAやHONDAは軒並み倒産。
  • 飛行機…飛行機での移動が不要に。JALやANAはまず破綻。
  • 旅行…瞬間的に移動できるため需要減。HISやJTBはかなり厳しい。
  • 電車…電車での移動が不要に。JRや私鉄各社は厳しい経営に。
  • レストラン…本場のものが本場で食べられる時代に。
  • 不動産…都市部の土地価格が急落。地方の土地価格が上昇。
  • 運輸…輸送もどこでもドアで一気に可能に。委託不要。
  • 海運…輸出や輸入もどこでもドアで一気に解決。大型船舶は不要。
  • エネルギー…移動にかかる燃料が不要に。需要の大幅減。
  • 金属…自動車や飛行機などが不要になると、鋼鉄需要も大幅減。
  • 倉庫…物流拠点などが不要に。すぐに配送可能になるため、需要減。

こんな感じでどこでもドアが発明されてしまったら、日本だけで少なくとも500万人、多い場合には3,000万人くらいが失業する可能性大。

そうなったらまさに未曾有の大混乱ですよね。

もちろんどこでもドアを作る産業やどこでもドアによる旅行プランなど、その登場によって新しい産業がでてくるのかとは思いますが、それも失うものと比べれば小さい産業になってしまうかと思います。

一瞬で開発され普及するわけではない:

ただこの話は、どこでもドアが今日、いきなり発明され、且つ大量生産されて安価に世界中に普及した場合の話です。

そうじゃなく、たとえばどこでもドアが発明されたとしても1つ生産するのに1年前後の時間を必要とし、製造コストが100億円以上かかるような場合には、こういった経済の大混乱はすぐに発生しません。

  • 世界中に一気に普及する場合:経済は大混乱に
  • 開発されても普及はゆっくり:経済は徐々に順応

電気自動車やドローン同様、世界経済が徐々にその環境に順応していくだけとなります(写真用のフィルムが不要になりつつあることで、富士フイルムが化粧品を開発しはじめたのと同じような変化が発生するってこと)。

どこでもドアと似た事例のシェール革命:

まぁどこでもドアによる変化は極端な例ですが、最近でも世の中で似たような事例が起きました。それがアメリカで起きたシェールガス革命です。

シェールガス革命により、今までは抽出できなかったガスやオイルが取れるようになってしまったため、原油価格や液化石油ガスが軒並み下落。

一見、経済に良い影響を与えそうなこのイノベーションも、エネルギー輸出に経済が依存していたロシア、ウクライナ、ベネズエラなどの国や地域にとっては痛手にしかならなかったのですね。

実際になくなった産業も多い:

どこでもドアの話をすると『なんか信じられないなぁ…』と思う人もいるかも…ですが、過去には大きな需要があったけど、新しいイノベーションによって無くなってしまった産業も多いですよね。

たとえば馬車。

ガソリン車が発明されたことで、動力としての馬が不要になってしまったことは容易に想像ができます。

  • 自動車の開発前:世界中に馬がたくさんいた
  • 自動車の開発後:馬の需要が減った(馬関連のビジネスが衰退)

他にも籠屋、飛脚なども消えてしまった産業のひとつ。

それまで便利に感じていたサービスであっても新しいテクノロジーがそれを上回った場合には、容赦なく切り捨てられてしまうのが経済であるとも言えそうです。

なにかが便利になると誰かが損するのが経済:

ベンチに座るドラえもん

このようになにかが劇的に便利になると、誰かが大きく損をするのが経済というもの

IT技術やロボット技術なんかもそうですよね。

これらのテクノロジーが発達すればするほど人手が不要になり、タクシー運転手や英会話教師など、将来、失くなってしまう職業も出てくることでしょう(どんな職業がなくなるのか気になる方は「10年後になくなる職業」について解説した下記書籍などを参照)。

以上、どこでもドアが発明されたら、世界経済は大恐慌に!?新しいイノベーションが生まれると、誰かが大きく損するのが経済です。…という話題でした。

世の中が便利になれば仕事が減る。不思議な感じかもしれませんが、たまには空想を働かせて、経済の未来を考えてみると面白いものですよ。

参考リンク:

もっと経済や金融を勉強してみたい方は、下記記事もあわせてどうぞ。まったく予備知識がない方にも読みやすい、入門書を中心におすすめしています。

news.cardmics.com

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