今回は株式投資の新しいメリットとも言える、「貸株サービス」が利用可能な証券会社をまとめていってみたいと思います。
貸株(かしかぶ)とは簡単に説明すると、自分が保有している株券を証券会社に貸し出して金利収入を得ることが出来るサービスのこと。
大手証券会社であれば最大20.0%程度の金利を付けてくれるので、通常保有で貰うことが出来る配当金や株主優待に上乗せする形で資産運用をしてくことが可能になります(銘柄によって貸株で得られる金利は違います)。
- 通常の株券保有…配当金や株主優待が貰える
- 貸株サービス利用…配当金や株主優待に加え、金利収入も得られるように
つまり、長期投資などで証券会社に株券を寝かせているという方は、この機会に貸株サービスの利用がおすすめ。うまくいけば配当金に加えて、貸株金利も両方を得ることができますよ(詳しくはこちらの記事なども)。
貸株サービスのあるおすすめ証券会社:
楽天証券:
貸株サービスを目的に証券口座を開設するなら、一番のおすすめは楽天証券です。ここは現時点で最高金利20%の銘柄が何個もある&大型株でも高めの貸株金利が設定されているので、とにかく少しでも多くの金利収入を得たいという方に向いています。
また、金利が付与されるまでの期間が他社とくらべて短いので、資金を上手に回転させたい方にもおすすめですね(翌月第2営業日に付与)。
SBI証券:
貸株に対応した銘柄が一番多いのがSBI証券です。金利設定は楽天証券には負けますが、それでも幅広い銘柄で金利収入が得られるのは魅力ですね。
またSBI証券は、ネット証券会社の最大手でもあるのでこれから株式投資をはじめたいという方にもおすすめ。デメリットはSBIグループの企業体力が他社と比べると見劣りする…といったところでしょうか。
カブドットコム証券:
カブドットコム証券も貸株サービスが利用可能な証券会社です。
ここは三菱UFJフィナンシャルグループという大きな後ろ盾があるので、貸株のデメリットでもある「証券会社の経営が危ない時」でも安心できるメリットがあります。
加えてSBI証券や楽天証券と並び、金利設定が高めなのも魅力。最近では売買手数料も最安レベルまで引き下げられたので、投資初心者が売買しやすい証券会社になりましたよ。
松井証券:
松井証券も貸株サービス利用可能な証券会社。こちらでは預株(よかぶ)という表現で貸株サービスを実装しています。
ただ日証金への貸付がメインとなるようなので、得られる金利報酬はそこまで高くないというのがデメリット。とにかく貸株で少しでも多くの金利を得たいなら、楽天証券、SBI証券、カブドットコム証券あたりが無難でしょう。
経営危機のシャープで貸株金利を稼いだ話:
2015年後半から2016年前半にかけて、私は市場でシャープ株を購入し、貸株サービスを使って金利収入を得ていました。
この間の貸株金利はなんと8%。だいたい4ヶ月程度の貸出期間でだいたい2.5%程度の収入を得ることが出来たので、普通にシャープ株を購入して売った時よりも大きな利益を得ることが出来ました。
ざっくり10万円弱の収入になったので、ほんと貸株様様…といった感じですね。銀行預金やMRFではこうはいきません。
貸株制度のデメリットとは?:
そんな証券会社に持ち株を貸し付けるだけで金利収入を得られる貸株ですが、ここで気になるのはやはりそのデメリットですよね。
大きくまとめると3つほどデメリットがあると言えるので、貸株サービスで金利収入を得たい方は予めこういったリスクを理解した上で利用するようにしてもらえればと思います。
1.証券会社との契約になる点:
一番大きなデメリットはこれ。貸株サービスは証券会社との契約になるため、仮に証券会社が経営危機になってしまったり、倒産してしまった場合には貸した株が戻ってこない可能性がある点です*1。
- 通常:証券会社が倒産しても持ち株は安心
- 貸株利用時:証券会社が倒産した場合に戻ってこない可能性も?
また、貸株で預けた株については投資保護の対象外。
とにかく経営が危ない証券会社や、グループの後ろ盾がないところでは貸株サービスは利用しないほうが無難です(とはいえネットで名が通っている証券会社であれば、すぐに潰れるとかそういうトラブルに巻き込まれる可能性は低いです)。
2.長期保有で割増のある株主優待が受けられない:
貸株で保有株を証券会社にあずけてしまうと、その株式の名義が証券会社に書き換わってしまうため、ビックカメラなどの「長期で株式を保有していると貰える株主優待が増える」ような銘柄の場合には一旦、保有歴が0に戻ってしまうデメリットがあります。
- 貸株を使わずに持ち続ける:長期保有者向けの優待が貰える
- 貸株を使って持ち続ける:長期保有者向けの優待は受けられない
こちらについてはこういった長期保有で優遇のある銘柄というのはそう多いものではないので、それらを避けて投資&貸株サービスを利用すれば問題なし。そもそも株主優待がない銘柄であれば、最初から気にしなくてOKですね*2。
3.税金の問題点:
投資資金が数百万未満の方の場合にはそれほど気にする必要性はありませんが、貸株サービスで受取る配当金相当額は雑所得扱いになってしまうため、場合によっては確定申告が必要になる場合があります(年間20万円以上の配当金相当額を得た場合)。
- 貸株で得られる配当金相当額:雑所得扱い
- 貸株を使わずに得られる配当金:配当所得扱い
そのため、高額納税者や投資資金が大きい方の場合にはいろいろと面倒な手続きを踏まなくてはいけないことになる可能性もあるので、貸株サービスは良し悪し。税金面での扱いをきちんと理解したうえで、利用するようにしてください。
また、配当金相当額を配当金として受け取るためには、権利確定日の前の貸株の返却手続きをしておかなくてはいけないなど、ある程度の手間が発生するのもデメリットだと言えるでしょう(楽天証券には優待がある銘柄では自動的に配当金に変更してくれるサービスもあります)。
なお、「株主優待自動取得サービス」で以下のいづれかの設定をなさっていれば、通常の配当金をお受取いただけます。
- 株主優待自動取得サービスの「優待優先」を選択なさっていて、株主優待があり、配当金の権利確定日が同日の場合
- 配当金権利確定日の4営業日前の15:30までにに貸出し設定を解除した場合
貸株サービスを利用しよう:
ここまで貸株サービスを使うのにおすすめな証券会社や、そのデメリットなどを解説してきましたがいかがでしたでしょうか?いくつかデメリットもあるにはありますが、使い方次第では大きな利益を生み出してくれるのが貸株サービスなので、是非、上手に活用してもらえればなと思います。
以上、株券を貸し出すだけで金利収入が得られる、貸株サービスが利用可能なネット証券会社まとめ!そのデメリットもわかりやすく解説…という話題でした。
参考リンク:
その他、これら株式投資をはじめようと思っている方のために、おすすめの記事を並べておきます。やはり総合的に見るとSBI証券が他社よりも1歩、先を行ってる感じがしますね。
あと、投資についての知識がまったくないぞ…という方は下記記事も参考に。資産形成に関する初心者向けのわかりやすい書籍を紹介しています。