「老後のためにお金をためましょう!」「幸せな老後を過ごしたいなら○万円の貯金が必要です!」なんて記事を頻繁に見かける最近…。
まぁ現在は団塊の世代が老後に突入していくタイミングなので余計にこういう記事が多いのだとは思いますが、結局、いくら必要なのか?って肝心のところがよくわからないですよね。
そこで今回はいろいろな専門家や投資アドバイザーの方がいくら必要だ!と言っているのかを集めてきてみました。老後資金が心配な方は是非、信用できる意見を見つけて参考にして貰えればな…と思います。
必要な老後資金はいくら?のまとめ:
All Aboutの大沼恵美子さんの見解:
情報ポータルサイト All Aboutのガイドである大沼恵美子氏の見解だと下記のようです。
退職金が2,500万円あること前提ですが、それを考慮するとそれ以外に1,200万円ほど用意しておけば老後は問題ないだろう…ということが書いてあります。
まぁこのくらいの貯蓄が作れればだいぶ安心なのも事実。とはいえ、私達、若い世代が60歳退職時にそんな多くの退職金が出るかは微妙なところでしょう。
そう考えると退職金抜きで3,000万円くらいは欲しいと言えそうです。
プレジデントの見解:
老後には1億円以上の資金が必要…と、なんだか衝撃的なタイトルがつけられているプレジデントの記事は下記のとおり。
ただ記事を読んでもらえればわかりますが、年金収入を抜きにした総額になっているので、実際に必要なのは3,500万~4,500万円程度とのことです。
余裕を持たせて夫87歳、妻92歳まで生きると仮定し、最低限の生活のためには月24万円、ややゆとりある生活のためには月30万円かかるとすると、最低限生活では1億776万円、ゆとり生活では1億1856万円確保しなければならない。
しかし年金が7274万円支給されるので「不足分は最低限生活で3502万円、ゆとり生活で4582万円になります」。
これに加えて退職金があるのであれば、実質的には1,500万~3,000万円くらいの余剰資金があれば老後は安泰…といったところでしょうか。
私は自営業ゆえに厚生年金や退職金に頼れないので、もっと貯めておかなくてはいけないのが頭痛の種です。
OCNマネーの見解:
OCNマネーの見解としては下記の通りです。こちらには個人事業主や自営業者が必要な老後資金についての記載があったので引用させてもらいます。
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OCN | マネー - 家庭のマネー学 -(記事は削除済み)
自営業者の場合には、厚生年金に加入できず国民年金のみの加入となるため年金額はサラリーマンに比べて少なくなります。
仮に20歳から59歳までの40年間にわたって保険料を納めたとしても年金額は約79万円。90歳までの受給額は夫婦で4100万円となり、不足額は約6400万円です。自営業者には退職金がないことからこの金額を準備するためには60歳以降も働くことが必要となるでしょう。
う~ん6,400万円必要と言われるとゾッとしますね。私は個人事業主なので、この金額以上にお金を貯めないと老後が安定しないこととなります。
まぁ60歳以降もしっかりと働けば良いのかもしれませんが、その頃まで仕事に対するモチベーションを維持できているかはかなり疑問…(苦笑)
私同様、70歳や80歳になってまで働きたい方は少ないことでしょう。
わたしのマネー術の見解:
nifty わたしのマネー術というところでは、独り身の方なら2,000万円、夫婦でなら3,000万円が必要になるだろう…という見解です。
60歳までに最低でもシングルで2,000万円、夫婦なら3,000万円。
内訳は、無年金期間の生活費+65歳以降の、公的年金では足りない部分の生活費+もしもの病気や介護に備えるお金。これらの合計が、老後までに公的年金以外に準備しておかなければならないお金、ということになります。
退職金がもらえる人は、ここからその分を差し引いてOKです。
ちょっと贅沢に暮らすなら更にお金は必要:
加えてちょっと贅沢でゆとりのある老後を送ろうと思うのであれば、更に5,000万円程度の資金が必要になるようです。
仮に90歳まで生きるとすると、60歳~90歳までの30年間では5,400万円。
最低限の日常生活を送るために元々必要な3,000万円を足すと、8,400万円もの貯蓄が必要ということになるのです。
60歳までにあとどれだけ働かなくちゃいけなんだよ…とゲッソリしますねほんと。
他、もっと記事を読みたい方向け:
他、老後資金に関する記事をもっと読みたいという方は下記記事もどうぞ。
全国銀行協会にも老後資金に関するコンテンツがあることに驚きです(投資を促すためには良いフックになっている?)。
老後資金が3,000万必要というのはFPが儲けたいから?
老後資金が3,000万円必要だ!いやいや、ゆとりのある老後を送るなら5,000万は最低でも…なんて議論が目立つ背景には、FP(ファイナンシャルプランナー)が危機感を煽り、自分の仕事を増やしたいからだ…なんて意見もあります。
まぁこれについては一理あるのかもしれません。
ただ現実問題として安心な老後を過ごすためにはある程度の「余裕」が必要なのも事実なので、お金に詳しくなっておくに越したことはないですよね。
少なくとも退職金を含めて1人あたり1,000万円程度のお金はないと、万が一の時に困ってしまうだけですよ。
よく言われる老後資金3,000万円の根拠:
ちなみに。
一般的に老後資金は3,000万円必要だと言われるわけですが、この根拠はどこから来ているのでしょうか?斎藤FP事務所(WEBサイト閉鎖済み)にその情報が書いてあったので引用させてもらいます。
年金生活に入る時に、3000万円は用意したい、とよく言われます。
この数字は厚労省がかなり前に発表したサラリーマンであった老人夫婦二人世帯のモデル年金が月約23万円に対し、ゆとりのある老後生活費月37.9万円(生命保険文化センターのアンケート調査H16年)と差額年約180万円を意識して老後の活動的な10~15年間を賄い、予備費も含む数字です。
発表された時期もかなり前であるし、厚労省のモデル年金に当てはまる人は限られているとか、アンケート調査はどの様な「ゆとり」を反映しているのか不明ですが、老後に関する色々な本によく引用されている数字です。
なるほど、一般的に言われる3,000万円という数字は、こういう根拠があって算出された数字だったんですね。
確かにこのくらいの生活費があればゆとりのある生活が出来そうな気もするので、3,000万円ほどあれば大病や住まいの問題が発生しない限り、老後にも多少の安心感はありそうです。
一般的な老後資金はどのくらい必要?
では、一般的にみなさんは老後資金がどのくらい必要だと思っているんでしょうか?
元となったアンケート結果は見つけることは出来ませんでしたが、東洋経済オンラインの記事に下記のような記述があったので紹介しておきます。
株式会社マネーフォワードが3月14日~19日にかけて行ったアンケート調査を見てみましょう。このアンケートは10~60代の、これから定年・退職後の生活を迎える男女3938人に聞いたものです。
それによると、「定年・退職後に必要なおカネはいくらくらいだと思いますか」という問いに対し、男性は5210.6万円、女性は4237.9万円で、全員の平均値は4978.2万円になりました。
どうやら男性の方は5,210万円、女性だと4,200万円との回答になった模様。夫婦で考えた場合には約1億円と、とんでもないお金が必要だとみなさん思っているようです。
ちなみに東洋経済オンラインの執筆者も、そのくらいの金額は必要になる見解をしています。夫婦で1億とかもう、普通の感覚だととんでもなく遠い数字に思えてしまうのは、私がまだ若い世代だからでしょうか?
少なくとも年収300万円~400万円ほどの方には、想像すらも出来ない貯金額だと思います(年収300万の場合には30年働いても1億円を貯められない)。
これ、なかなか鋭いところを突いています。私の計算では、定年を迎えるまでに最低でも5000万円は作っておきたいところです。それも1人あたりです。ということは、夫婦だと1億円になります。
生涯賃金はいくらなのか?
オマケとして生涯賃金、つまり働き続けて得られる合計賃金のデータも置いておきます。この数字が不明のままだと、一体どのくらいの貯金をしていけばいいのかわからないためです。
※カッコ内の数字は一度も転職をしなかった場合の数字とのこと。
中小企業勤務だと生涯賃金は2億に届かない:
ご覧頂いた通り、高卒でそのまま働いている男性だとだいたい2億円、大卒だと2億5000万円が生涯賃金のようですが、正直、このくらいまでしっかりと給与を稼げる方は大企業など一部の有力企業に勤務できた方の話。
残念ながら中小企業勤務の方や自営業の方などだと1億5000万円くらいがせいぜいなのかもしれません(年収400万円の方が40年勤務で1億6000万円)。
そう考えると老後のために3,000万円を貯めるのだって至難の技…。
投資アドバイザーが「老後のために投資をはじめよ!」なんて言っている理由もよくわかるような気がします。
うーん、私も頑張らないとですね(お金の知識を増やしたい方は、まずは下記記事で紹介している書籍などから)。
以上、結局、老後資金っていくら必要なの?なぜ3,000万円必要なのかの根拠から専門家の意見まで、老後のお金についての現実をまとめてみました…という話題でした。
参考リンク:
老後にしっかりとしたお金を残すためには、今から収入を増やしたり、家計の節約をしていく必要性があります。お金の知識をもっと増やしたいと思う方は、是非、これらの記事を良いキッカケにしてみてください。
いやいや、貯金どころか借金で大変だよ…って方は下記記事も参考に。貧乏から脱出するためのアイデアをまとめています。